サンフランシスコ

 ステキな感情と出会う

Q どうしてアメリカなんぞ行く気になったの?
A 長い間の夢だったの。夢は夢のまんまでいいという人と、夢を実現させることが生きる目的にまで発展して しまう人といるけど、私は後者。なにせ欲張りですから。でも欲張りのおかげで、ものすごく心が 豊かになりました。

Q 普通「欲張り」だと心がいつも満たされない状態なので、人によっては欠点と思われがちだけど…
A そうね。でも私は森田理論(医学博士)のおかげで、欲ばりを有効に使っちゃうの。つまり、欲があり過ぎるからいつも充たされないんだと自己内省するよりも、欲があるから行動できるんだ、というふうにね。

Q  心が豊かになった、というけどどうして?
A だって見たこともない世界に3か月もいたのよ。毎日が新鮮で驚きと感動の連続だったわ。知らない世界に飛び込むと、いつもは熟睡している目(視野)と心(感性)が全開するの。
 こんなことあった。市内バスに乗ったの。乗客はみなハローといい、ドライバーは「よい週末を」と誰にでも声をかけるの。とってもアットホーム。

そしてね。日本のようにアナウンスはないの。降りたい時は見慣れた景色の近くにきたら紐を引っ張るの。夜なんて何も見えないからハラハラ、ついにミスして終点まで行ってしまったの。乗客は私と友人2人だけ。言葉はできない、真っ暗、青くなったわ。ドライバーに尋ねられて、やっと学校名を言ったの。そしたら山手線みたいにクルクル巡回しているバスだったの。そしたらバスストップを無視して学校のそばまで行ってくれたの。公共のバスがよ。日本のように規則一辺倒ではないのね。あったかいの。すごく恐ろしい思いしたけど、その何倍ものステキな感情を味わったわ。
(↑高台にある学校の寮から撮影-夕焼けが始まると人の顔もインテリアも建物も真っ赤に染まる)

ちん道中で思い出の量も倍に

Q 米国は治安が悪くて危険だと言われているけど、よくまぁ無事で。
A  確かに学校へ帰ったら、たんと叱られた。たった2人で言葉も下手なクセして、それも夜バスに乗るなんてと。なにも好きで夜乗ったわけではないワ。降りる場所がわかんなくなって夜になってしまったの。 でもこのホットで恐い思いは級友の誰も味わったことのない体験だと思っている。
(学校のロビー・手作りのクリスマスデコレーションが暖炉のそばに飾られていた→)

 このことがキッカケで、私はますますオテンバになっていきました。だからおとなしく寮にいる人と比べて一日のエピソードの量が多かったこと。話したいことが次から次へと生まれてきます。授業では週末何をしたか必ず質問されます。おかげでネタに困ったことはありません。でもなにせ英語で話さなくてはなりません。苦労でした。私のクラスは下から二番目。全部で10レベルあります。

宿題山もり、でも笑いの絶えなかった学生生活〕 ではカリキュラムの一部を紹介しましょう。まずスピーチ。テーマ自由。その後、生徒からその内容についてビシバシ質問が無論英語で飛んできます。英語が下手なもの同士のディスカッションですからミステイクだらけ。でも笑いがあってとても楽しかった。
 その他英語ゲーム、歌、天気のよい日は芝生で円くなってそれぞれの国のライフスタイルをジェスチャー交えながら話します。世界数十か国から学びに来ているので、いろんな国の人といっぺんに知り合いになれます。でも日本人が一番多かった。
   
 





学生寮からは鹿やリス、カラフルな小鳥、
絵の具の赤よりも深い夕焼けがよく見えた






〔ゾクゾクするほど生きてるって感じたあのとき時〕 そして毎日宿題に追われながらも1か月経ちました。私はますますオテンバになっていきました。そしてよく遠出するようになったの。そしたら絵のような所を見つけました。リスがちょろちょろいて、いろいろな鳥が湖上で遊んでいて、ジョギングやスケッチしている人がいて…そんな風景のなかをウォークマン聞きながら一周しました。

 60セントのコーヒー代だけでジャズライブを聞いたり、ゾクゾクするほど"生きてる"って感じたわあのとき・・・・。一生に何度かしら…こういう感情を味わえるのは。つくづく自然が好きなんだなーと思ったわ。休んだおかげで仕事への意欲も湧いてきたし… 

今大切なことは?と自然に自分に問いかけていた

Q 他にどんな発見をした?
A 学校ではどんな人にでも挨拶するのがエチケットなの。最初しんどかったけどクセになったら自然に口から出てた。ちょっとかすっただけでも笑顔でSorryといえる国民性、ほんんとうに素晴らしいわ。   
 それから自分に「いま大切なことは?」と問いかけるクセもついた。だから帰国後の職の心配より、英語の勉強を必死にしたわ。ついていけないもの。週末は皆と思いきり遊んだわ。思い出も友達もたくさんできた。一日一日を大切にしたのでホームシックなんてかかる暇なんてなかった。 

〔生きやすくなった〕 以上が私のアメリカ遊学体験記である。期間は1986.10月〜12月までの3か月間。英会話もだめ、海外も始めてだったあのとき、計画を何度延期しようと思ったことか。そういう気持ちになるだろうことを予測して、入学金は事前に日本で払い込んでおいた。だいたい100万円くらいかかったと思う。(エアー往復、授業料、寮費、食事代も含めて)。
 なにもかも初体験だったからこそ感動も倍だったのだろうと思う。そして自分の知らなかった自分との出会いと挑戦。これらは私がこれから生きていく上で自信となるし、生きやすくしてもくれるだろう・・・。(↑国立公園ヨセミテ・・クラスメート4人とレンタカーで行く。園内では野生動物によく出会った。息を呑むほど美しく透明感のある湖で何もしゃべらず過ごした。あのときのことがいつまでも心に残る)

3ヶ月間学んだサンフランシスコ
オークランドにあるELS英会話スクール

英会話スクールELS
1ヶ月ごとに行われる
クラス修了式の風景

ユーモアがあって生徒の個性を生かす
ことが上手なステキな担任教師


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